2024年7月29日、しまむらグループが運営する「バースデイ」が発売した加賀美健氏とのコラボ商品「パパディス」商品としてSNSで波紋を呼び、翌日に販売中止を発表しました。
InstagramとXでの反応は全くと言っていいほど異なり、利用者層の違いが浮き彫りとなりました。
なぜ、こういった現象が起きたのでしょうか?InstagramとXの利用者層と利用のしかたの違いから読み解いてみたいと思います。
バースデイ商品販売中止のお知らせにXとInstagramで異なる反応
2024年7月29日、しまむらグループの「バースデイ」が現代美術作家・加賀美健氏とのコラボ商品を発売しました。

この商品には一部「パパはいつも寝てる」「パパは全然面倒みてくれない」といったフレーズが書かれており、SNS上で批判が殺到しました。


翌30日には商品の販売中止が発表され、バースデイの公式InstagramとXにも販売中止のお知らせが投稿されました。

しかし、両プラットフォームでの反応は全く異なるものでした。
Xでの反応は否定的な意見が中心
Xでは、批判的な意見が多数を占めました。以下はその一部です。
- @EarthesEarth さんは、「子供が片方の親を悪く言うことは、家庭不和の原因になる」と懸念を示しました 。
- @Ww6FMPEBtC7lnL9 さんは、「こうした商品を買って子供に着せる女性心理がわからない」と逆セクハラの問題を提起しました 。
- @TH9official さんは、「多様性を認めることが大切だが、こんな感性を持った人たちとは同じ環境で子育てしたくない」と述べました 。
- @ma29 さんは、「子供を使ったパパヘイトはひどい」と指摘し、商品化に疑問を呈しました 。
Xの利用者は、30代既婚・子あり・会社員男性が多く、やや孤独を感じている傾向があります。
この層は、家庭や育児に対する感受性が高く、今回の商品に対して強い反発を示したと考えられます。
Xは情報発信や議論の場としても利用されるため、社会問題や個人の意見表明が活発に行われる傾向があります。
そのため、今回の商品のような家庭や育児に関するデリケートなテーマには特に敏感に反応するユーザーが多いのです。



Instagramでの反応は肯定的な意見が目立つ
一方、Instagramでは、肯定的な意見や販売中止に対して残念がる声が目立ちました。
- yumachisama さんは、「みんな余裕ないんだなあと思いました。人生楽しんでますか?」と投稿しました 。
- yuminobushi13 さんは、「男女差別というなら買わなきゃいいし、文句、クレームの世界って嫌ですね」と述べました 。
- takatoxxc さんは、「加賀美健氏へのリスペクトを示し、デザインを再精査して再販売することを望んでいます」と発言しました 。
Instagramの利用者は、10代から30代の女性が多く、商品の発見や購入を楽しむ傾向があります。
この層は、ユーモアやファッション性を重視し、今回の商品に対して肯定的な意見を多く示しました。
Instagramはビジュアル重視のプラットフォームであり、ユーザーは美しい写真やおしゃれなアイテムを楽しむことが主な目的です。
そのため、ユーモラスなデザインや斬新なアイデアに対して寛容であり、楽しむ余裕があるユーザーが多いのが特徴です。


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利用者層の違いによる反応の違いか?
XとInstagramの反応が真っ二つに分かれた背景には、各プラットフォームの利用者層の違いが大きく影響していると考えられます。
Xの利用者層とその傾向
- 年齢層: 主に30代から40代の男性
- 家庭状況: 既婚・子ありが多い
- 職業: 会社員が多く、情報発信や議論を重視する
- 利用目的: 暇つぶしや情報発信、議論の場として利用
Xの利用者は、家庭や育児に関するデリケートな問題に敏感であり、商品に対して真剣に考える傾向があります。
また、情報発信や議論を重視するため、自分の意見を積極的に表明することが多いです。
※Xに関する分析はマイナビニュース内「X(Twitter)ヘビーユーザーの属性や性格など特徴が明らかに」(2023年12月29日)を参考にしました。
Instagramの利用者層とその傾向
- 年齢層: 主に10代から30代の女性
- 利用目的: 商品の発見や購入、ビジュアル重視のコンテンツを楽しむ
- 興味関心: ファッションやユーモアを重視
Instagramの利用者は、ビジュアル重視であり、商品のデザインやユーモアを楽しむことを目的としています。
そのため、デリケートな問題よりも、楽しむことを優先する傾向があります。
※Instagramに関する分析はGladCubeの「【2024年5月版】主要 SNS のユーザー層を比較/年齢 層・特徴を徹底解説」を参考にしました。
主要SNSの性・年代別利用傾向まとめ

販売中止商品に児童虐待を助長?の指摘も
なお、今回のような子供向け商品にこうした文言を入れ込むことは場合によっては親がもう1方の親の悪口を子供に吹き込むことと同じことになりかねず、児童虐待を誘発する可能性もあるという指摘もあります。
バースデイにはこうした可能性も視野に入れた対応が求められます。

まとめ
今回のバースデイの「パパヘイト」商品の販売中止を巡る騒動は、SNSの利用者層の違いが明確に表れた事例となりました。
Xでは家庭や育児に対する感受性が強い利用者からの批判が多く見られ、Instagramではユーモアやファッションを楽しむ若年層からの支持が目立ちました。
これらの違いを理解することで、今後のマーケティング戦略や商品開発に活かすことができるでしょう。
また、すべての性別の人がお互い尊重し合い、子育てのしやすい社会になることが望まれます。
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