2024年7月25日、石川県の馳浩知事が能登半島地震に関する会合で「所得の低い方が1次避難所で滞留している」と発言し、SNSで大きな批判を招きました。
この発言の問題点と、SNS上での反応を探ります。
馳知事の問題発言の詳細
2024年7月25日、東京都で開かれた能登半島地震に対応した関係府省庁の職員らを集めた会合で、石川県の馳浩知事は「自宅にも戻れない、障害のある方など、所得の低い方が1次避難所で滞留している。この方々をいかに支えていくかも私どもの使命だ」と発言しました。
さらに、記者団に対して「家で自分で本来生活していかなければならないが、避難所の方が食事、掃除、見守りもあるので安心していられる。こういった方がけっこうな数、滞留している」と説明しました。
この発言は避難所に滞在している人々があたかも「滞留」しているかのように受け取られかねないもので、多くの人々から批判を浴びています。
SNSでの反応
馳知事の発言に対して、SNS上では次のような反応が見られました。
- @4RygOC0vJEwjTplさん「避難所に不法滞留しているような印象操作をしている事に怒りを覚える」と述べ、知事の発言に対する怒りを示しました。
- @kichinose0001さん「2週間前に能登町のボランティアに参加したが、住めない家が山程あった」と述べ、被災地の実情に対する知事の理解不足を指摘しました。
- @minasen_govoteさん「【滞留】という言葉から感じる見下した意識。この知事の県民に対する認識が、能登の放置を呼んでいる」と、知事の発言に対する批判をツイートしました。
馳知事の釈明
批判を受けて、馳知事は石川テレビの取材に対し「ちょっと言葉が過ぎたと思います。所得の低い方が多くおられるというのも1つの事実でありますけれど、それだけではない健康上の問題とかございますから言葉はちょっと気をつけたいと思います」と釈明しました。
発言が批判された原因と背景
馳知事の発言が批判された背景には、いくつかの重要な要因があります。
言葉の選び方とその影響
馳知事が使用した「滞留」という言葉は、被災者があたかも意図的に避難所に留まっているかのような印象を与えました。
この言葉選びが、被災者を見下すように受け取られたため、多くの人々の反感を買ったのです。
実際には、避難所に滞在し続けることは、生活再建の難しさや適切な住居がまだ確保できていないという現実を反映しています。
被災者の多様なニーズの無視
発言が批判されたもう一つの理由は、被災者の多様なニーズや背景を十分に考慮していなかった点です。
避難所に滞在している人々は、単に所得が低いだけでなく、障害を持っていたり、健康上の問題を抱えていたり、家屋の損壊が深刻で戻れない状況にあるなど、さまざまな事情があります。
これらの多様なニーズを無視した発言は、被災者への理解不足と見なされました。
避難所の現状と支援の不足
SNS上で多くのユーザーが指摘しているように、避難所の環境や支援の不足も批判の一因です。
例えば、@kichinose0001のように、ボランティア活動を通じて現地の状況を目の当たりにした人々からは、家屋の損壊が深刻で自宅に戻れない現実が語られています。
避難所の整備や仮設住宅の提供が遅れている状況下で、被災者を責めるような発言は不適切と受け取られました。
復興の遅れと行政の責任
避難所の生活が長引く背景には、行政の復興支援の遅れもあります。
多くの被災者が自宅に戻れない状況が続いているのは、復旧作業や支援策が十分に行き届いていないからです。
@arisa20010301が指摘するように、「復旧が遅れているからに他なりません」という声は、行政の責任を問うものです。
馳知事の発言は、この責任を避難者自身に転嫁するものと受け取られ、さらに批判を招きました。
まとめ
馳知事の発言は、多くの被災者やSNSユーザーから大きな批判を浴びています。
避難所に滞在し続ける理由は多岐にわたるため、発言には慎重さが求められます。被災者への配慮と支援を示すことが、今後の重要な課題となるでしょう。
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