2024年6月に入ってから、中央線と総武線では15回もの人身事故が発生し、異常な頻度で事故が続いています。
特に最終週(24日~28日)だけでも7件の事故が発生し、社会的な関心を集めています。
この記事では、事故の状況や原因、防止策について詳しく考察します。
特にホームドア設置が進まない現状と原因も探っていきます。
中央線の人身事故状況
2024年6月だけで、中央線快速、中央総武線、総武線快速では合計15回の人身事故が発生しています。
2日に1回の割合で事故が起きていることになります。
以下は具体的な事故発生日時と場所です。
2024年6月の中央線快速、中央総武線、総武線快速の人身事故発生状況
# | 日付 | 駅 |
1 | 3(月) | 国分寺 |
2 | 5(水) | 高円寺 |
3 | 8(土) | 高円寺 |
4 | 11(火) | 稲毛 |
5 | 12(水) | 三鷹 |
6 | 18(火) | 西荻窪 |
7 | 21(金) | 船橋 |
8 | 23(日) | 東小金井 |
9 | 24(月) | 西荻窪 |
10 | 24(月) | 船橋 |
11 | 26(水) | 八王子 |
12 | 26(水) | 船橋 |
13 | 27(木) | 津田沼 |
14 | 28(金) | 稲毛 |
15 | 28(金) | 市ヶ谷 |
特に6月24日から28日までの最終週は5日間で7件も起きており、集中しているのが目立ちます。
人身事故の原因
人身事故の主な原因としては、以下の要素が考えられます。
自殺の多発
多くの人身事故は飛び込み自殺と考えられています。2024年6月に起こった人身事故の多くも、自殺の可能性が高いとされています。
1営業キロ当たりの自殺件数は中央線が圧倒的に多い
ジャーナリストの佐藤裕一氏がまとめた資料によると、1キロ当たりで見た路線別の自殺件数はJR中央線が4.8件で2位以下を引き離してトップ。JR総武線も2.6件で5位につけています。
鉄道自殺原因のトップは健康問題
同じく佐藤裕一氏が政府のデータから2009年から2015年まで7年間の鉄道自殺者4261名について2016年に分析を行ったところ、自殺者の5割強を「無職者」が占めていることや、原因別では精神疾患や身体の病気などの「健康問題」が1位だったことが分かっています。
6月は自殺が多い時期?
鉄道自殺に限らず、6月は傾向として自殺が多い時期といえそうです。
警察庁の「自殺統計」から作成された厚生労働省の資料によると、令和4年の月別自殺者数は6月が3番目に多く、女性に限って言うと6月に最も多い傾向があります。
子どもの自殺は2022年は6月が最多
朝日新聞デジタルの2023年6月21日付記事の、不登校問題を取材してきた「不登校新聞」代表の石井志昂さんによると、2022年に自殺した小中高生の割合が6月に62人と最も多いとのこと。
一つの原因として考えられるのが、新年度に入って固まった人間関係にトラブルが起きやすく、連休明けにいじめが多くなるのではと分析しています。
ホームドアの未整備
中央線の主要駅ではまだホームドアの設置が進んでおらず、これが転落事故や飛び込み自殺を防ぐための障壁となっています。
過渡期?ホームドア設置進まぬ原因は車両編成が変更予定だから
なお、ホームドア設置が進まない原因としては2024年度中に中央線にグリーン車を導入し現在の10両から12両編成にする予定があることが指摘されています。
SNS投稿でもホームドアの設置を早く求める声が多く上がっています。
事故防止策
人身事故を防ぐための対策としては以下の方法が挙げられます。
ホームドアの設置は2031年度末目標
主要駅にホームドアを早急に設置することで、転落事故や飛び込み自殺を防ぐことができます。
JR東日本から2024年3月12日付で発行された資料によると、2031年度末頃までに東京圏在来線の主要路線330駅758番線にホームドアを導入することを目標としているそうです。
このうち、2024年度中に部材が確保できている12駅に整備を進めるとのことで、中央・総武線では新小岩と本八幡に設置予定とのことです。
心理サポートの強化
自殺予防のために、心理カウンセリングやホットラインの充実が求められます。
特に学生や若者向けの支援を強化することが重要です。
社会的な意識向上
自殺予防に関する社会的な意識を高めるキャンペーンや教育を通じて、自殺のリスクを減らす努力が必要です。
まとめ
中央線の人身事故は、6月に入ってから異常な頻度で発生しています。
自殺が主な原因とされる中で、鉄道インフラの整備や心理サポートの強化が急務です。
今後、これらの対策を実施することで、人身事故の発生を抑え、安全な鉄道利用を実現することが求められます。
中央線の人身事故の多発について、引き続き注視し、適切な対策を講じることが重要です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
コメント