ダガー賞受賞で注目される作家・王谷晶さん。
「性別」を検索されることが多いですが、そこには何があるのでしょうか?
プロフィールや発言、作品テーマをもとに、王谷さんのジェンダー観に迫ります。
この記事を読むとわかること
- 王谷晶さんの性別に関するプロフィール情報
- SNSや著作から見えるジェンダー観や思想
- なぜ性別が検索されるのか、その背景
王谷晶のプロフィールと受賞歴

王谷晶(おうたに あき)さんは、1981年生まれ・東京都出身の作家です。
2025年には小説『ババヤガの夜』がイギリスのダガー賞(翻訳部門)を受賞し、日本の作家としては初の快挙となりました。
作風は、暴力やミソジニー、女性同士の連帯といった重厚なテーマを中心に据えながらも、独自のウィットや哲学が感じられるものが多く、国内外で高く評価されています。
性別は?女性と明言されているが…

一部の読者が「王谷晶 性別」で検索する背景には、その中性的な名前や鋭い文体から「男性では?」と感じた方もいるようです。
しかし、各種メディアや出版物においては「女性作家」と明記されています。
また、2025年のダガー賞報道でも「日本人女性作家の快進撃」として紹介されていました。
(参考:「日本人初快挙!王谷晶さん「ババヤガの夜」がダガー賞翻訳部門受賞 世界最高峰ミステリー文学賞 日本人女性作家の快進撃続く」TBS NEWS DIG Powered by JNN 2025年7月4日(金)付記事)
なぜ「性別」が検索されるのか?

王谷さん自身は、性別に対する批評的な視点をたびたび表明しています。
たとえば、著作『どうせカラダが目当てでしょ』の中では、
「性別もくそもない。性別が同じなら脳の仕組みも思考も嗜好も同じと言うのなら今日から俺は石原さとみβを名乗らせてもらう。」
という強烈な一文があり、ジェンダーの固定化や性別二元論に対して強い違和感を抱いていることがわかります。
このように、「女らしさ」「男らしさ」といった価値観に縛られない姿勢が読者の関心を集め、「性別が気になる」という検索ニーズに繋がっていると考えられます。
王谷晶の作品とジェンダー観

王谷さんの小説には、「女性同士の関係性」や「性にまつわる違和感」「社会の中に潜むミソジニー」が繰り返し登場します。
たとえば、ダガー賞を受賞した『ババヤガの夜』では、暴力団会長の娘と、その護衛を務める“暴力を唯一の趣味とする女性”との複雑な関係性が描かれ、「恋愛でも友情でもない、名前のつけられない絆」が強烈な印象を残します。
こうした物語世界に共感する読者の多くが、「作者はどのような視点でこれを描いているのか?」という純粋な興味から、性別に関する情報を求めていると考えられます。
まとめ:検索の裏にある“知りたい気持ち”
- 王谷晶さんは公的には女性として紹介されている
- 作風にはジェンダーへの問題意識や違和感が込められている
- 名前や思想により、「性別が気になる」という検索が生まれている
- 単なる性別の情報よりも、「なぜ描くのか」という視点にこそ注目すべき作家である
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