学校のグラウンド内事故で賠償判決は適切?SNS上で渦巻く賛否の声…草津市の開放事業の実際とは

事件・事故

滋賀県草津市立の小学校のグラウンドで、2019年に起きた事故に対する判決が大津地裁で下され、小学生だった男性2人に賠償を命じる結果となりました。

この判決に対してSNS上での反応は多岐にわたります。

今回のケースを背景に、草津市が行っているグラウンド開放事業やSNSでの賛否の声を詳しく分析します。

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事故と判決の概要

2019年11月、草津市立の小学校のグラウンドで、当時小学6年生だった男性2人が追いかけっこをしていた際、グラウンドゴルフ愛好会に参加するために来ていた80代の女性と衝突。

女性は転倒し、太ももの骨を折る怪我を負いました。

女性は男性2人と市に対して725万円の損害賠償を求めましたが、裁判所は男性2人に88万3041円の賠償を命じました。

池田聡介裁判長は「周囲に対する通常の注意を払っていれば女性の接近を認識するのは容易」と述べ、児童らの不法行為責任を認定しました。

一方、女性がグラウンドの中央を歩いていたことも考慮し、賠償額の6割を過失相殺しました。

また、教員や校長らの過失は認められず、市への請求は棄却されました。

草津市では小学校のグラウンドを開放していた

草津市はスポーツ振興を目的に、市内の小学校のグラウンドを市民に開放しています。以下はその開放内容です:

  • 開放曜日と時間:全曜日、午後5時30分から午後9時まで。
  • 申込要件:市内に在住・通勤・通学の10名以上で団体として登録が必要。成人監督者が最低1名必要。
  • 費用:登録料は高校生以上1人年間1,000円、夜間照明代は300円/30分。

平成21年度の小学校グラウンド開放実績によると、開放日数は合計3,583日、利用日数は2,464日、利用率は69%でした。

最も利用率が高かったのは志津南小(88%)で、最も低かったのは笠縫東小(52%)でした。

このデータから、市民による活発な利用状況が伺えます【草津市ホームページ】。

平成21年度小学校開放(グラウンド)実績

 志津志津南草津第二小矢倉老上玉川山田笠縫笠縫東常盤合計
開放日数3413483463393332783373403442433343583
利用日数773052932652831792922002921271512464
利用率23%88%85%78%85%64%87%59%85%52%45%69%
引用元:草津市ホームページ

SNS上の反応

SNS上の反応は多岐にわたっており、以下のように視点ごとに分類できます。

小学生への責任追及はおかしい…学校側の管理責任を問う声

今回の判決は当時小学生だった男性に対してのものであり、責任能力のない子供に責任を押し付けることへの疑問の声が上がっています。

責任を問うべきは子どもたちよりも管理をしている学校側では?との意見や学校側へ再発防止を訴える声も見られました。

一部には学校側が子供たちに開放事業のことを教えていたのか?疑問を投げかける声もありました。

  • 「小学校の開放をやめよう」という意見を述べ、「小学校は小学生のエリアであり、老人は老人のエリアで棲み分けするべきだ」と主張。
  • 「もう学校でやるな! 学校も貸すな! 草むらでやってろ」と強い反対意見。
  • 「公園だけでなく、学校のグラウンドでも年寄りに譲らないといけないのか?遊ぶ場所分けてくれ」と、子供たちの遊び場を守るべきだとする意見。

子供たちに直接損害賠償?高齢世代の変質を問う声

小学生に対して高齢者が訴えたということで高齢世代への反発的な意見も多数寄せられています。

高齢世代の変化を指摘する声も見られました。

  • 「こういうぶつかって怪我をした事に対する賠償命令は出来てなんで旭川児童生徒が同児童に対してイジメを行いやられた側の命を奪っ行為にはなんの罰も無いの?」と他の事件との対比を指摘。
  • 「不当判決。現役世代・子育て世代は老人主義司法にNOを突きつけよう」と、強い反発を表明。

事故発生時は地域への開放時間前だった?判決の前提に疑問の声も

なお、当時の状況について、毎日新聞では以下の様に報道しています。

判決によると、2019年11月、グラウンドで集団下校の指導を受けていた当時小学6年の児童だった男性2人が追いかけっこをしていた際、下校後にグラウンドゴルフ愛好会での活動に参加するために来ていた女性とぶつかり、女性は転倒して太ももの骨を折るけがをした。

引用元:毎日新聞2024年7月25日付記事より

この内容から、当時小学生の男性2人は「集団下校時」つまり本来小学生が利用している時間帯であり、一方の女性は「下校後にグラウンドゴルフ愛好会での活動に参加するために来ていた」となっているため、事故の起きた時間帯は女性が入ることができる開放時間の前だったのではないか?という疑問が一部SNSで起こっています。

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まとめ

今回の判決は、小学生に対する責任の所在についての議論を呼び起こしています。

草津市のグラウンド開放事業は、市民のスポーツ振興を目的としているものの、安全対策や利用者のルール遵守が求められます。

SNS上の意見は賛否が分かれており、今後の学校施設の開放についての議論を深める必要があります。

市民全体が安心して利用できる環境作りが重要となるでしょう。

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